九州大学との共同研究成果を発表〜バイオマスの「超」急速熱分解技術の開発〜

みなも株式会社は、九州大学、東北大学、産業技術総合研究所、東京工業大学と共同で、マイクロ波の電場加熱と磁場加熱を空間的に分離する技術を用いたバイオマスの「超」急速熱分解技術を開発しました。本研究の成果は、2024年10月23日に九州大学から発表されました。

本技術は、半導体式マイクロ波発振器と電場／磁場分離型の空洞共振器を組み合わせた新たな装置を活用することで、未利用バイオマス資源（林地残材、農業残滓、食品廃棄物など）の効率的な処理を可能にします。この装置により、急速加熱・熱分解が可能となり、以下の成果が得られました：

・合成ガスとタールの効率的生成と回収
・非晶質が高いバイオチャーの生成
・既存技術の20倍のスケールアップを実現
※特に、竹粉をモデル原料として実施した実験では、マイクロ波電場加熱により30秒程度で急速昇温が可能となり、水素や一酸化炭素を含む合成ガスや高純度タールの生成を実証しました。また、炭素化が進む段階では磁場加熱を用いることで、効率的な熱分解を継続可能にしました。

さらに、大型空洞共振器やフロー式反応装置を用いることで、スケールアップにも成功。これにより、リグノセルロース系バイオマスだけでなく、食品廃棄物、医療廃棄物、汚泥といった多様な有機廃棄物への応用が期待されています。

みなも株式会社は、持続可能な社会の実現に向けた新技術の開発を通じて、産業界や地域社会に貢献してまいります。